伊藤詩織さん勝訴、東京地裁が性暴力認定し、元TBS記者に賠償命令(東京)

2019年12月20日21:15

元TBS記者の山口敬之氏に性的暴力を受けたとして、山口敬之氏を相手取り、東京地方裁判所に伊藤詩織さんが裁判を提起していた事件で、12月18日、伊藤詩織さんが勝訴し、同裁判所は、山口敬之氏に賠償金として330万円の支払いを命じた。山口敬之氏は、不服として、控訴する方針だ。

伊藤詩織
引用元:時事ドットコム

伊藤詩織さんは、2015年4月3日、、就職と米国での就労ビザ取得について相談のため、東京都内で山口敬之氏と会食したが、酩酊状態になり、山口氏が宿泊していたシェラトン都ホテル東京にタクシーで連れ込まれ、伊藤さんの意思に反して、朝まで性的暴行を受けたと裁判で主張した。伊藤さんは、朝方意識が戻り、性的暴行を受けていたことに気がついたという。

山口敬之氏は、同意の上、性的行為に及んだとして、伊藤さんの主張を否定し、伊藤さんが自己の主張を書いた著書などにより社会的信用を失い、名誉を毀損されたとして、伊藤さんに一億三千万円の慰謝料を請求する反訴を提起していた。

東京地裁は、山口氏の主張の変遷から、山口氏の主張は信用できないとし、また、酩酊状態の伊藤さんが自分の意思で同ホテルの山口氏の部屋に入室したとは認められないとした。さらに、「原告(伊藤詩織さん)が意識を回復して拒絶した後も被告(山口敬之氏)は体を押さえつけて、性行為を続けた」として、伊藤さんが性的暴行を受けたことを認めた。

また、伊藤さんの著書は「性犯罪被害者のおかれた社会的状況の改善が目的であり、公共の利益になる内容であるから、名誉毀損(きそん)には当たらない」として、山口氏の主張を退けた。

山口氏は記者会見し、「客観的証拠もないのに、一方的に伊藤さん側の主張だけが認められたのは納得できない」と述べ、控訴する方針を表明した。

一方、伊藤さんも、東京都内で記者会見を行い、「勝訴で、受けた傷がなくなるわけではないが、性暴力被害者の力になれたなら意味があった」と、この判決について感想を述べた。また、実名による被害告白については、「心ない声につらい思いをしたこともある。被害者が訴えやすく、周りの支えがある社会になってほしい」と語った。

東京地方検察庁は16年7月、準強姦(ごうかん)容疑で書類送検された山口氏を嫌疑不十分で不起訴とした。検察審査会も「裁定を覆す事由がない」として、不起訴処分を相当と議決した。